佐藤愛子原作、すべての女が迎えねばならぬ、その時。美貌の美容整形医の胸にうずきはじめた中年の焦燥と不安が、やがて夫と娘への背信へと……。婦人科系の整形に関して彰野の診療方針を受け入れ難い添田は、彰野のクリニックを辞める。 おかげで、クリニックは大忙し。彰野も看護婦もくたくただ。 添田が辞めて寂しい毬世は、添田の勤める附属病院を訪ね、これからも自分と付き合ってほしいと伝える。そんなある日、彰野が過労から倒れる。クリニックは急きょ休診になるが、連絡のとれない手術予定の患者がいた。 毬世の提案で、添田にピンチヒッターとして手術を頼むことに。 翌日、彰野は改めて添田に礼に行く。彰野のもとでもう一度働かせてほしいときりだす添田。彰野は快く承諾する。

佐藤愛子原作、すべての女が迎えねばならぬ、その時。美貌の美容整形医の胸にうずきはじめた中年の焦燥と不安が、やがて夫と娘への背信へと……。添田が再び、彰野のクリニックで働くことになった。添田の優しい人柄を知り、彰野の中に彼への信頼感が生まれる。 ある夜、毬世の誕生パーティーが開かれる。本間と共に、添田も招待する毬世。 その席で、来年からニューヨークで仕事をする予定の本間が突然、毬世と結婚させてほしいと彰野にきりだす。毬世は困惑。本間と二人きりで結婚について話し合うが、毬世の気持ちは急速に冷えていく。 添田に惹かれているのに気づいた毬世は、自分の気持ちをはっきりと添田に伝える。そして、両親にも打ちあける。 母親として彰野は毬世を見守るしかない。

佐藤愛子原作、すべての女が迎えねばならぬ、その時。美貌の美容整形医の胸にうずきはじめた中年の焦燥と不安が、やがて夫と娘への背信へと……。毬世が添田を好きなのを知った彰野は、添田に毬世のことをどう思っているのか聞いてみる。 添田は、毬世には特別な感情を持っていないと答え、自分には結婚したい人がいると打ちあける。 添田への思いが募る一方の毬世は、添田のマンションに押しかけ、夕食を作ったりする。困惑ぎみの添田。毬世は、添田の部屋に飾ってあった若くて、美しい女性の写真が心にひっかかる。 添田の部屋から帰宅した毬世を、本間が待っていた。 毬世は、添田以外の誰とも結婚は考えられないときっぱり告げる。 彰野は添田の気持ちを知っているだけに、毬世のことが気にかかる。

佐藤愛子原作、すべての女が迎えねばならぬ、その時。美貌の美容整形医の胸にうずきはじめた中年の焦燥と不安が、やがて夫と娘への背信へと……。本間のプロポーズを断った毬世に、彰野は添田には恋人がいることを告げる。 ショックを受けた毬世は添田の部屋に押しかけ、写真の女性について尋ねる。 添田は毬世をその女性が眠る墓に案内して、自分の運転する車が事故に遭い、その女性が重傷を負ったこと、そしてそれが原因で彼女が自殺したことを語る。それからまもなく、毬世が卒業制作のための旅行に出かけた日。隆鼻手術をしたセールスマンの新堂が、手術をやり直すよう言いがかりをつけてくる。酒に酔ったうえナイフをふり回す新堂を添田がとり押さえるが、はずみで添田は足を捻挫してしまう。 彰野は添田のことが心配で、部屋に見舞いに行く。

佐藤愛子原作、すべての女が迎えねばならぬ、その時。美貌の美容整形医の胸にうずきはじめた中年の焦燥と不安が、やがて夫と娘への背信へと……。毬世が小旅行から帰ってくる。添田が足を怪我してクリニックを休んでいることを知った毬世は、すぐに添田のもとへとんでいき、かいがいしく世話をする。 毬世から添田の亡くなった恋人のことを知らされた彰野は、娘の恋を応援することに。そんなある夜、彰野は親友の涼子と出かけた行きつけのバーで、偶然添田と会う。 途中、涼子に急用が入り、彰野は添田と二人きりに。二人はお互いを誤解していたことを語り、彰野は添田から、尊敬しているといわれる。 店を出た二人に、突然雨が降ってくる。自分を庇ってくれた添田に、彰野は少しどぎまぎする。

佐藤愛子原作、すべての女が迎えねばならぬ、その時。美貌の美容整形医の胸にうずきはじめた中年の焦燥と不安が、やがて夫と娘への背信へと……。クリニックに会社社長園子がやってきて、二十五年前の結婚したときの若さをとり戻したいと訴える。夫婦なんてあっけないものだと語る園子の人生と自分の人生を重ね合わせて、複雑な心境になる彰野。 そんな折、彰野は添田と一緒に明治の診療所を訪ねることになる。アルコール依存症の患者順子とその夫とのトラブルを目の当たりにした添田は、改めて現場の厳しさを知る。翌日、明治が、順子の自立のために百万円用立ててほしいと彰野に言ってくる。 彰野の気持ちをくんで、明治に反論する添田。彰野は結局お金を融通するが、自分のことを理解してくれる人がいると思うと、嬉しかった。