浮かび上がる男の純愛…!和香は私立探偵。ある日塩月という中年男から、岩手で吊り橋から落ちて死んだ女、小杉陽子の身辺調査を依頼される。盛岡で和香が調べた陽子の交際関係はごくわずかだったが、塩月は、その中の古川のことだけが知りたいという。盛岡の古川食品の社長だ。しかしその古川は、和香が会う前に何者かに刺し殺された。しかも塩月は、突然一方的に調査を打ち切ってきた。
強盗殺人事件の真相と、翻弄された家族の悲劇とは…和香の事務所に、幼女を連れた尾藤渚と名のる女が現れ、敦賀の千田信一という男を探してくれと依頼する。和香は福井に出かけ、敦賀から南条まで探して千田に会うが、千田は渚を知らないという。その渚が東京で殺され、連れていた幼女・千佳は何者かに連れ去られていた。和香が渚について調べると、三年前に渚の兄・朝雄が敦賀で強盗犯として警官に追われ、抵抗して射殺されていた。